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「桐島、部活やめるってよ」を今さら語る 映画、舞台の脚本、演出家を目指す君へ①


映画『桐島、部活やめるってよ』予告編

 

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

 

 

 

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今さらって声が聞こえてきそうですね

そうです。今さらです。

 

しかし、このブログをやるにあたり絶対外せない

お題。それが桐島です。

僕が映画好きになるきっかけを作ってくれたこの映画は外せない。

 

しかし、この映画はわかりやすい説明セリフがないため

「よくわからなかった」という方も多い。

 

この話を観る上で大切なのはどの登場人物自分を照らし合わせるかである

 

話の全体を考えなくてもよい、なぜなら問題の根本である。

「桐島の不在問題」は解決されないからである。

 

 

目次

 

1、そもそも「桐島、部活やめるってよ」とは?

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見たことない人はまず見てみてください

話はそれかれの方がわかりやすいかもしれない。

【概要】

早稲田大学在学中に小説家デビューし、第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の吉田大八監督が映画化した青春群像劇。田舎町の県立高校で映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では静かで目立たない、最下層に位置する存在。監督作品がコンクールで表彰されても、クラスメイトには相手にしてもらえなかった。そんなある日、バレー部のキャプテンを務める桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、各部やクラスの人間関係に徐々に歪みが広がりはじめ、それまで存在していた校内のヒエラルキーが崩壊していく。主人公・前田役に神木隆之介が扮するほか、前田があこがれるバトミントン部のカスミを「告白」の橋本愛、前田同様に目立たない存在の吹奏楽部員・亜矢を大後寿々花が演じる。第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀編集賞の3部門を受賞した

(映画.com より転載)

監督 吉田大八

原作 - 朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』

脚本 - 喜安浩平、吉田大八

キャスト 神木隆之介

     東出昌大

     山本美月

     松岡茉優

     大後寿々花

     橋本愛

     清水くるみ

     大賀

     前野朋哉

     他

 

2、学校を舞台にした人間社会の抽象劇 

 

この物語のおもしろいところは決して学校の話だけを描いているのではない、

ということ。

 

あくまで人間関係の部分にスポットが当たっている。

 

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映画の中ではあえてほとんどのシーンは学校の中で完結している。

舞台をあえて狭い空間にすることで普遍性を演出している。

 

いやいや、逆効果だろ?っておもいましたか?

 

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 そんなことないですよ。

 

例えば、学校を舞台にしていますが、場所も時代も学年も提示していません。

 

また、桐島が不在になった瞬間のみを描き、時系列を1週間の出来事に留めている。

 

つまり、学校はこの物語を提示するための空間設定にすぎません。

 

極端に言えば、学校じゃなくても、この話は描ける。

 

 

しかし、学校の方が効果的。なぜか

 

理由は3つ

 

1 誰もが1度は体験している空間

 

まあ色んな人がいるので一概には言えませんが、基本的にはみなさん、経験している空間だと思うので物語の世界に入りやすい。

 

2 大人社会の人間関係要素(お金、仕事、権力、暴力)を排除している

 

この話の特徴のひとつ、それは親の不在です。大人社会のお金や仕事という要素を完全に排除することで、人と人が共存する空間の本質を描いている。また、学校ドラマでありがちな「わかりやすい、いじめ」も登場しません。

そうすることで人間が持つ、集団心理における「恐怖、不安」を浮き彫りにしている。一言で言えば「ゲロ吐きそうな空間」

 

3 逃げられない空間の演出

 

結論、どんな集団を選んでも、この作品が描く集団心理からは逃げられません。学校という閉じた空間を設定することで、登場人物たちに不自然さなく、この空間に向き合わせることができる。

 

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これらの要素を通じて、読み手は人間関係の本質を見せられる。

簡単に言えばヒエラルキーを体験する。

 

しかし、注意すべきは

この物語は「学校ヒエラルキー」のみに限定した話ではないということ。

 

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だから、大人の観客もハマったのである。

 

会社、バイト先、ママ友、自治体

組織には必ずヒエラルキーがある。

それを無くすことは不可能。

なぜなら、特に日本では

ヒエラルキー=組織だから

 

この構造の複雑なところは

各々の階層に苦しみがあるということ。

 

それをこの映画は伝えている。

そして、この世界で生きている人はそれぞれ違う視点を持って、同じ世界を見ている

 

そういう映画である。

 

 

3 誰に共感できる?どのキャラが自分ですか?

 

ここからが本題。さあ、この物語を楽しむ上で大切なのは、作品全体の流れを追わないこと。この作品のおもしろさは

 

誰に想いを寄せるかで

感想が人それぞれ違うということ

 

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作品全体はあくまで抽象劇なので、わかりやすいオチをつけていません。というより、あえてつけていません。

 

そうでなければ、抽象劇にならないからである。

 

人間関係の辛さは一生解決できません。共存というのは人類の永遠のテーマ

だから、この物語も解決しません。

 これでいいのだ・・・・ f:id:cinemahero:20190210145736p:plain

 

誰に共感し、自分の姿を客観視するのか。そのキャラクターに希望を抱く。もしくは過去に自分を客観的にみてノスタルジーを感じる。

 

そこがこの映画のカタルシスなポイントなのです。

 

 

では誰に共感するのか。正直、登場人物、全員紹介したいですが、

 

おおまかなカテゴライズをするとこの4人に分類できると思います。

 

あなたは誰ですか。誰みたいでしたか。誰のように生きたいですか。

 

次回は4人のキャラクターについて紹介していく

 

それでは!!!

シュワッチ!!

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