ファーストマン 男はなぜ月を目指したのか!!委員長のウルトラSFシネマ②
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SFは未来である
目次
男はなぜ月を目指したのか
こんにちは!!本日は絶賛公開中の「ファーストマン 」について語って行きます
先日観て参りました。
結論から言うとめっちゃおもしろかったです。
若干のネタバレがありますが、
ネタバレが、面白さと関係ないタイプの映画なので当記事を見てもらっても問題ございません!!!
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概要
アメリカ合衆国の伝記映画。監督はデイミアン・チャゼル、脚本はジョシュ・シンガーで、ジェームズ・R・ハンセンによるニール・アームストロングの伝記『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生』を原作としている。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務める。
史上初めて月面を歩いた宇宙飛行士ニール・アームストロングを中心に、1961年から1969年にかけてのNASAのミッションが実話に基づいて描かれる。
幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、NASAの宇宙飛行士に応募し、選抜される。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。
シネマトゥデイ (外部リンク)
監督
デイミアン・チャゼル
脚本
ジョシュ・シンガー
製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
出演者
ライアン・ゴズリング
クレア・フォイ
ジェイソン・クラーク
カイル・チャンドラー
コリー・ストール
クリストファー・アボット
キーラン・ハインズ
宇宙競争(作品背景)
そもそも、なぜ、アメリカは月を目指したのか
冷戦期、戦争の舞台は地上から宇宙になりました。
アメリカとソ連は宇宙開発競争の凌ぎを削りました。
まぁ今もですけど(笑)現在は中国とかの勢いが凄いですね。
宇宙を制すれば、地球を制するということですね。
人工衛星が正常に作動すれば、スパイなんかいらないですよね。
常に意識しなければいけないのは、科学技術の進化は兵器の進化と比例するということですね。
アポロ計画が行われていた当時、ベトナム戦争の影響もあり
大衆の世論は多額の費用が掛かる宇宙開発には反対でした。
作中でも、その描写はかなり出てきますね。
不平等を訴える歌手の描写は現代社会にも通じるものがありますね。
しかし、アメリカ政府は計画を進行させました。
なぜか、必要だからですね。
あと月面着陸は国家のイデオロギーの確立に有用ですね。
なんだって1番になることは大事ですね。ナショナリズムという観点で見ると。
「日本が世界一」って響き、みんな好きじゃないですか?
ナショナリズムが強固な国は強いです。
オリンピックなんか見てればわかりますよね。
デイミアン・チャゼルが描くのは人間
先程、色々書きましたが、この物語は、あまり政治的な話は関係ありません。
そこを期待しながら見ると「あれっ」ってなります。
この物語はあくまでアームストロングという人間の話なのです。
チャゼル監督の色が濃く出ている結果だと思います。
過去作の「セッション」「ララランド」全く違う作風に一見見えますが、
共通している部分があります。それは夢の先になにが見えるかというものです。
前作、共に夢を追った人間の話です。そして、その夢の実現がクライマックスに待っています。
そこに辿り着いた時、主人公の目からどう世界が見えたのか。
そこを描く。だから、彼の映画は終盤に大きなカタルシスが待っています。
その副作用として、中盤がたるみがちです(笑)
しかし、それは彼の狙い通りでもあります。
主人公の夢は序盤で明らかになります。そして、最後に叶います。
この間はひたすら、過程を描きます。そこにカタルシスを持ってきません。話がブレるからです。
あくまで映画上のクライマックスが主人公の人生のクライマックスという画をつくります。
医学的にに死ぬという意味ではありません。夢を見てた人間の死です。
中盤は実現までの過程(行動、感情表現)をできる限りリアルタイムに近い、スピードで描きます。
そうすることで観客は主人公の人生を疑似体験することができます。
だから彼の映画は感動するのです。
終わりよければ全て良し、という映画ならではの演出ですね。
そして、今回もその方法通りに進みます。
アームストロングはなぜ月を目指し、月面でなにを見たのか。
そこに注目してください。
ただ、作品のスタイル上、かなり宇宙開発の描写を忠実に描くので、
その臨場感が凄まじいので中盤はあまり飽きません。そうゆう意味では前作より見やすいです。
ただ、このSF描写にもチャゼル監督の特徴が出ています。
飛行の描写やロケットの描写、ほぼ全てアームストロング目線のカメラカットなっています。
この技法により観客はアームストロングの人生を疑似体験できます。
これが作家の個性というものですね。
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きっかけは娘の死
ではなぜ、アームストロングは月を目指したのか
きっかけは娘の死です。
最愛の娘を無くしたアームストロングはジェミニ計画(要はアポロ計画)に復帰します。
なぜ..........
ここでわからなくなる人が多いと思います。正解を探してはいけません。
なぜなら、これは個々人の死生観によって受け取り方が変わるからです。
ここからは私個人の意見を語ります。
死とは何か、あの世に行くということですね。
あの世とはどこか、この世ではないどこか。
この世ではない場所。それは人類から遠く離れた場所。
それが月です。
月が天国とかが言いたいんじゃありません。月は遠いどこかのメタファーだということ。
月は人類が辿り着いた、物理的に最に遠いところなので。
死とはどういうことなのか。死んでみないとわかりません。
だから、彼は死に最も近い、月に行くのです。
死の世界を求めて。死にたいって意味じゃありません。
娘がいる死の世界と自分がいる現実が同じ世界なのか、それが知りたかったのです。
作中では死に関する描写が出てきます。
娘の死以外にも開発実験中の同僚の死が、これでもか、というほど描かれます。
これは監督が意図的に省かずに描いているのだと感じました。
冒頭のシーン、アームストロングの飛行実験シーンから始まりますが、
アームストロング視点の描写が非常に緊迫します。音もリアルです。
何よりアームストロングの苦しそうな顔が印象的です。
観客は彼の視点でドキドキ体験をし、死の近さを感じることができます。
やはり、死というものに重点を置いているのだと、感じます。
そして、月面にたどり着いたアームストロングは何を感じたのか。
何を見たのか。この映画最大のカタルシスです。
泣きましたね。
死を求め、生を実感する。素晴らしい映画です。
ちなみに月や宇宙を死と結びつける描写は様々な映画で見ることができます。
スティーブン・スピルバーグ
少し余談になりますが、この映画の制作総指揮は、あのスピルバーグです。
アポロ計画の映画と聞いて、
一部の都市伝説ファンの人は陰謀論的な展開を期待したのではないでしょうか。
もしくは宇宙人的な描写に。
幻解!超常ファイル「人類は本当に月に行ったのか? NASAの陰謀!?(1)」2015 02 14
この映画にはそうゆう描写は出てきません。
しかし、この映画の指揮を取っているのはスピルバーグです。
「未知との遭遇」や「E.T.」の監督ですね。
彼は宇宙人の存在を世に知らせるために、これらの映画を作ったなんて都市伝説もありますね。
なぜ、このタイミングで月面着陸の映画を公開するのでしょうか。
もしかしたら、この映画の中に隠れたヒントがあるのかもしれません。
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まとめ
SFなのに科学技術があんま出てこない
それもまたSFです
科学の先に人間が何を感じるのか。
それもSFなのです。
一見、感情とは離れた科学を題材にすることで、普段あまり意識しない人間を感じることができます。
ターミネーターやバックトゥザフューチャーだけがSFじゃありません。
この映画はそんなことを伝えてくれています。
是非、お時間ある方が劇場で見てください!!
それでは!!シュワッチ!!!
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