SFってなんだ? 高度テクノロジーの未来 委員長のウルトラSFシネマ 第1回 「博士の異常な愛情」
ウルトラSFシネマ 第1回 「博士の異常な愛情」
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目次
SFとは未来である
SF=science fiction
科学的な空想
人間が頭で考えることは現実に起こすことができる
このシリーズでは委員長がオススメのSF映画を紹介します
そして、今後起きる可能性のある事象について語っていきます。
今回紹介するのは
博士の異常な愛情 〜または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか〜
です。副題長いなーーー笑
監督は巨匠スタンリーキューブリック
副題のタイトル通り、水爆の話です。
この博士とはストレンジラブ博士のことなのですが、彼はナチスドイツの残党という設定です。
この映画が1964年、55年前に公開されていたということに注目してほしい
概要
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
公開
1964年
製作国
アメリカ イギリス
監督
スタンリー・キューブリック
脚本
スタンリー・キューブリック
ピーター・ジョージ(英語版)
テリー・サザーン
原作
ピーター・ジョージ
キャスト
出演者
ピーター・セラーズ
ジョージ・C・スコット
あらすじ
アメリカのバープルソン空軍基地の司令官リッパー准将が精神に異常をきたし、指揮下のB-52戦略爆撃機34機にソ連への核攻撃(R作戦)を命令したまま基地に立て篭もった。巻き込まれたイギリス空軍のマンドレイク大佐は将軍の閉じこもる執務室から出られなくなり、リッパー将軍の話相手となる。出撃した爆撃機にはそれぞれ第二次世界大戦で使用された全爆弾・砲弾の16倍の破壊力がある核兵器が搭載されていた。
バープルソン空軍基地の状況とB52出撃を知ったアメリカ政府首脳部(マフリー大統領、軍高官、大統領科学顧問のストレンジラヴ博士など)は、機密情報の塊であるペンタゴンの戦略会議室にあえてソ連大使を呼び対策を協議する。ソ連首相とのホットラインで、ソ連は攻撃を受けた場合、自動的に爆発して地球上の全生物を放射性降下物で絶滅させる爆弾(終末兵器)が実戦配備されていることが判明する。公開しなければ威嚇の意味をなさない兵器をなぜ公開しなかったのかと迫るストレンジラヴ博士に、ソ連大使は「近日公表する予定だった。首相は人を驚かすのが趣味だ」と説明した。この協議が続いている間にも爆撃機は進撃を続けていた....
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リッパー准将は何のメタファーなのか
この物語はアホな軍人によって全てが引き起こさせれる。
リッパー准将は何かに惑わされ、頭が狂い、ソ連に向けて独断でミサイルを発射する。
「水道水にフッ素が混入しているのは共産主義の謀略だ」
と根拠のない破茶滅茶なエゴイズムを唱えるわけだが.......
リッパー准将はコントロール不能な存在の象徴である
これと似たようなことを私たちは学校で習っている
極度のナショナリズムは人をあらぬ方向に導くかもしれない。
そして、一度導かれると、引き戻せない.......
思想や価値観は実はコントロール不能になってしまう可能性がある。
そして、現代的にはAIがコントロール不能になりうる。
作中に登場する爆撃をなぜ止められないのか。
それはテクノロジーにコントロールを一任しているからである。
人に武器を持たせると悪い奴が良からぬことを企む。ミスも起こる。
だから、機械に任せよう。その方が合理的だ.........間違ってはいない。
しかし、いつも合理的な判断が人間にとって良い結末を生む、とは限らない。
機械には感情がない。というより人間に同情する必要がない。
これは兵器に限った話ではない。
例えば、自動運転モードで車に乗車していると前方の車とぶつかりそうになる。
それは自動運転が悪いのではなく、前方の車がルールを犯しているからだ。
機械は何も間違っていない。むしろ、暴走しているのは人間なのだ。
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終末兵器は存在している
この物語はソ連によって開発された終末装置によって地球が滅亡するという話です。
ツァーリボンバというものを知っているだろうか。
やりすぎ都市伝説で紹介され有名になった。
ロシアが開発した大型核爆弾である。
なんと広島に投下された原爆と比べ3300倍の威力があると言う。
こんなものを使ったら.....
ロシア政府は抑止力のために存在する兵器だと発表している。
ソ連の最強水爆「ツァーリ・ボンバ」爆発実験は“暴走巨大エイリアン”の抹殺が目的だった! フルシチョフが指示、不可解発言も…- 記事詳細|Infoseekニュースnews.infoseek.co.jp
こんなの威圧するために作ってるだけでしょ
「作れる」ということがポイントなのだよ
ロシアに作れるのだから他の国にも作れるんだよ
何かの間違いで、誰かの企みで
一瞬にして人が消えるのだよ
このテクノロジーを別の何かで、爆撃ではない、何かで利用したら
もしかしたら、殺されたという感覚がなく殺すことも可能なのかもしれない
一瞬にして終末はやってくる
そんな未来をこの映画は暗示している
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優生思想はナチスだけの思想ではない
人を大量に殺して誰が得すんだよ
得をする人間がいるのだよ
この映画の中では
皆殺し装置が起動し、残された時間が僅かになった後、登場人物達は何を語り出すのか。
ストレンジラブ博士はとんでもないことを熱弁する。
選抜された頭脳明晰な男性と性的魅力のある女性を地下の坑道に避難させることにより人類を存続させうる
これがまさに優生思想と言うものだ。
ストレンジラブ博士は、この熱弁をした後、立ち上がり、右腕を挙げた
優れたDNAだけを後世に残し、あるべき未来に人類を導くという思想
その思想は過去の遺物なのか
ナチスは今も生きている。人間の欲望の中で。
まとめ
この映画の冒頭
アメリカ空軍により、「映画はフィクションであり、現実には起こりえない」との解説がつきます。
意味深だな・・・・と委員長は思いました。
この映画はコメディ調です。
笑うしかないでしょ。というキューブリックのメッセージ。
SF映画はフィクションを利用して、人間の欲望を具現化します。
欲望とは夢であり、凶器である。
SFはそれを伝えてくれます。
人類滅亡が決まった後、ストレンジ博士達、権力者は何を話しているのか
もう1度聞いてみてください。現実とマッチするはずです。
人類が滅亡した後「また会いましょう」と歌う、エンディングが流れます。
皮肉で、でも笑っちゃう演出は終末を的確に捉えています。
それではまた会いましょう
シュワッチ!!!!
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