社会と映画はリンクする! プライバシーとは何か?バイトテロにおける厳罰化の流れ 委員長のウルトラNEWSシネマ①「ザ・サークル」
委員長のウルトラNEWSシネマ①「ザ・サークル」
こんにちは!
ニュースを見て、なんだこれ、映画見たいだなって思ったことないですか?
メディア作品は社会の写し鏡なのです!
このシリーズでは話題になったニュースと関連した映画を紹介します。
今回、取り上げるニュースはバイトテロ
映画は「ザ・サークル」です!
こちらの映画はSNSを通じて起こる、透明性と厳罰化に対して警鐘を鳴らす作品です。
明らかにモチーフはFacebockですが、そこはシー―――です(笑)
不適切動画の発信者の顔を特定させたりするのは論外。SNSに対する権力の介入は少し待ったを掛けなければいけません。
そのことを暗に示してくれる映画です。
目次
バイトテロ報道の裏 SNSへの厳罰化
バイトテロのニュースを見ていて感じることがあります。
企業への批判少なくないですか?
実際に不適切な動画をSNSに流した彼らは、どうしようもないバカだとは思います。
しかし、企業側はなぜ止められないのでしょうか。彼らはバイトです。現場に正社員はいないのでしょうか。FCチェーンの労働に関する闇がこのニュースには隠れています。
ですが、そこはあまりニュースにならず、主にテレビなどで取り上げる項目は「SNSと若者」です。
今回のような不適切動画は今に始まったことではありません。SNSの利用問題なんて何年も前から言われていることです。なぜ今さら?
「若者はSNSの危険性を理解していない」・・・・・してますよ(笑)
テレビ屋さんのコメンテーターさん(笑)
彼らのSNSでみんな気づいたでしょ?
いかにFCチェーンがいかに悪労働環境であるか。そして、食品の品質なんて気にしていないことが。彼らにその意図はなかったでしょうが(笑)
ですが、「FCチェーンで働くのがキツイ」とただSNSで発信しても世論は動きませんからね。なぜなら彼らは弱者だからです。影響力がないからです。
言論の自由は弱者のためにあるのです。
効果的なやり方は考えないといけませんが(笑)
バイトテロの件を通じて、感じることがあります。
SNSをもっと監視しなければいけないという世論を高めようとしているのではないか。ということです。
なぜなら、不適切動画の責任を全て発信者個人になすりつけるとすれば、
SNSの監視を強め、違反者には罰を科すというやり方が手っ取り早いからです。
しかし、それでいいのでしょうか。
例えばあなたが「○○食品の○○よりも××食品の××の方がおいしかった」とSNSで発言したとします。罰金です。営業妨害です。
極端な例ですが、可能性はあります。なぜなら、言葉なんて捉えようでなんだって犯罪にできるからです。
誰の悪口も言えない。いい世界ではないか・・・・・ホントに?
不満が言えない社会は生きづらいですよ
厳罰化の行きつく先はここです。なぜなら、統制する側に楯突く権利を失うからです。
厳罰化は加速する 管理社会の誕生 ザ・サークルが鳴らす警鐘
問題は厳罰化は止まらないということです。
大袈裟な―バイトテロくらいで・・・って思うでしょうか
あれがダメならこれもダメだろってなるのが普通です。
昨今のハラスメントブームをみれば分かるでしょ。
何を持って不適切なのか。それを決めるのは世論です。
そして、世論をコントロールしているのは権力者です。
不適切動画を簡単に防げる方法。
それは不適切だと思われる動画がアップされる前に止めること、もしくは誰であろうが関係なく、それに準ずる動画を発信したもの全てに罰を与えることです。
誰かが全人類のデータを管理するということです。
厳罰化が行き着く先は徹底的な管理社会です。
厳罰化の波はプライベートを破壊します。
安心、安全が行き着く先は、窮屈な世界です。
この映画はそのことを描いています。
「ザ・サークル」概要
『ザ・サークル』The Circle は2017年アメリカ合衆国にて公開
監督
ジェームズ・ポンソルト
脚本
ジェームズ・ポンソルト デイヴ・エガーズ
キャスト
エマ・ワトソン
トム・ハンクス
ジョン・ボイエガ
【あらすじ】
メイ(エマ・ワトソン)はサークル(facebockみたいな会社)に就職する。CEOのベイリー(トム・ハンクス)は「秘密は罪」だと言い、全世界のプライベートの共有を目指す。シーチェンジという小型カメラを全世界に設置し、全ての映像をシェアする。メイはシーチェンジに命を助けられたことをきかっけに、その理念に共感し、自身のプライベートを24時間公開するプロジェクトに協力する。しかし、プロジェクトは成功していく中でメイは家族、友人との絆を失っていく。そして、ある出来事からメイは本当の透明性を目指し、あることを決意する・・・・
正義とは
「秘密は悪である。全人類の経験が可視化できれば、犯罪は起きない。」とCEOはメイに熱弁します。
それはエゴだ。自分は正義であるという歪んだ自信である。
価値観は人それぞれだ。在日韓国人と遊ぶ動画を公開した際に在日反対派の過激派は彼らに何と言うだろうか。
アルコールで大暴れする大学のサークルの映像を流した際、アルコール反対団体は何を言うだろうか。
確かに犯罪は無くなるかもしれないが、争いは増える。
何より、大衆心理に影響力が高まるのは危険だ。
メイは友達が作った鹿製のシャンデリアを公開します。そのことによって友達は「鹿殺し男」として一部の人間に批判されます。そして、その批判は過熱していき、友達は自殺してしまいます。鹿の剥製の制作は犯罪じゃありません。仮に無許可でやっていたとしても死罪にはなりません。
興味深いシーンがある。ソウルサーチというシステムだ。
作中では全世界のユーザーに脱獄犯の情報を流し、20分以内に見つけ、逮捕するという描写がある。
最終的に逮捕する。というところが怖い。何よりその映像を見て熱狂している社員達はもっと恐怖だ。
完全な透明性は不可能
メイは自身の24時間公開により、家族と友達を傷つけました。
それにより、目が覚めた彼女は技術者のタイ・ラフィートと共にCEOの情報公開を企てます。
物語はそこで終わります。
まぁ実際は無理でしょ。そうなる前に何かしらで葬られますね。
彼らも監視されているからです。
作中ではサークルの利用を国民に義務付け、投票率100%を目指します。
恐ろしいですね。
結局は権力者に完全なコントロールを与えることになります。
まとめ
バイトテロを辞めさせる必要はあります。
そのためには企業側も批判する必要があります。
しかし、SNSの恐怖一点のみに関心をしてしまうと、とんでもない一歩を踏み出してしまうかもしれません。
というか、踏み出してますね。既に
この映画はそんな未来に警鐘を鳴らしています。
SNSでみんなが繋がるのは問題ないと思います。
ただ、他の要素も考えなければいけません。
それでは!!!
シュワッチ!!!