なぜ企業は隠蔽に走るのか 閉ざされた空間がルールを捻じ曲げる 委員長のウルトラNEWSシネマ② 七つの会議
こんにちは!
ニュースを見て、なんだこれ、映画見たいだなって思ったことないですか?
メディア作品は社会の写し鏡なのです!
このシリーズでは話題になったニュースと関連した映画を紹介します。
今回、取り上げるニュースは厚労省、神戸市教育委員会の隠蔽です。
映画は絶賛公開中「七つの会議」です。
なぜ企業は隠蔽するのでしょうか。
なぜ誰も指摘できないのか。
この映画はそんな組織の闇を描いています。
さすが、池井戸潤ですね。映画の制作チームは「半沢直樹」と同じなので「半沢直樹」が好きな方はおススメです!!あまり好きではなったという方も今回はまた少し違った作風なので是非見てみてください!!
今、会社に所属している人は必ずドキッとします。
学生の皆さんも就職する前に見ておいた方がいいです。
金、権力、名声、欲しいですよね?誰でもそうです。
では、なぜ欲しいんですか?
それを考えないと、こうなりますよ・・・・・・
目次
コンプライアンス厳罰化社会が加速させる隠蔽
コンプライアンス
どんな企業で働いている人も必ず聞いたことがあるはずです。
どんな会社でもコンプライアンス研修は必ず実施されます。
似たような再現ビデオを何回も見ます。
そして、コンプライアンスを犯した企業は社会から多大な制裁を受けます。
でも隠蔽します。なぜ?
多大な制裁を受けるからです。
起きてしまった、違反を正直に言おうが、隠蔽しようが、どちらにせよ待ち受けるのは地獄です。だから隠すのです。
例えば、あなたが財布を拾ったとします。あなたは貧乏でお金に困っていました。つい財布から1万円抜いてしましました。その後、たまたま、その財布の持ち主が○○○の超怖い人であったことがわかりました。正直に謝れますか。謝れませんね。何とかして隠し通すでしょう。
極端ですが、そうゆうことです。
「厳罰化で罪が無くなる」というのは一元的な考え方です。「罪が隠蔽される」というリスクもあるのです。
そもそも窃盗する奴が悪いんだろ!!
その通りではあります。
しかし、これが企業の話になると少し話が変わります。
ちなみに厳罰化については前回も触れたので、良かったら、是非、見てください!!
出世欲が人を狂わせる
営業をされてる方や経験のある方は北川部長(香川照之)を見てドキッとしましたね(笑)
営業をされていない方やこうゆう上司に出会ったことない方は「こんな奴いるかよー」と思ったと思います。
普通にいますよ!!!!
こうゆう方は委員長の上司にもいます。別に個人的には何もされてませんが(笑)
営業部ではスタンダードだと思います。
そして、大事なのは彼もまた下請けにすぎず、親会社の梨田(鹿賀丈史)から詰められているということです。
なぜ、こんなに社員を恫喝するのか?
理由は2つある。
1つは、売上を上げさせるのに最も即効性のある方法だからです。
教師が体罰をするのと同じ理屈です。簡単に服従させることができる。
2つ目は営業は成績がわかりやすいからです。営業には「勝ちと負け」しかありません。売り上げ目標を超えれば勝ち。届かなければ負けです。それが仕事の全てです。なので、売り上げを下回った社員は営業部のお荷物なのです。
部下の成績が自分の成績に直結する北川部長は怒鳴り散らすのです。
そして、目に見えて成績が悪い原島(及川光博)は反論する材料はありません。どんな言い訳があっても。
厳しいですが、それが営業です。
しかし、営業にはいい面もあります。出世しやすい部署でもあります。
「なんであいつの方が評価上なんだ?」って思ったことないですか。
営業は比較的にそういったことは少ないはずです。成績が数字でわかりやすいからです。数字は平等で、上下がはっきりしています。成績が下位の社員が出世すれば、他社員の不満が高まり、利益が下がってしまいます。なので、営業は頑張れば出世できるため、モチベーションを高く保てます。
しかーーーーし!!
成績上位=出世という構図が人間を狂わせ、いつしか
出世=成績上位となってしまうのです。
これが隠蔽の始まりです。この映画はその構図をよく描いています。
会社は利益を求めます。なので、いかに早くを結果を出せるかが大事です。
会社の利益と出世欲が合体して、禁断の果実に手を出します。
そして、隠します。
会社のルール=社会のルールになってしまう
怖いのは血縁のように、この体質は受け継がれるということである。
この映画はそこを描いている。
全員、不正を起こし、隠蔽してます。
いつしか「不正を起こさないと出世できない」という恐怖のルールができてしまう。
これが怖い。そして、このレールに乗れない人間は・・・・
ボコボコにされます。
決して「不正をしろ」とは言いません。
不正をしなければ達成できない目標を設定するのです。
不正をした人間が上にいるからですね。
そして、社員が自発的に不正を犯すように洗脳していくのです。
これが怖いのです。
要は全員、加害者であり、被害者なのです。
なぜ誰も止められないのか
悪いことなら止めてやる!!
ホントにできますか?
集団心理とは恐ろしいものです。「当たり前」の恐怖ですね。
日常化してしまった状態にメスを入れることは内部からは難しい。
誰だって攻撃されたくない。できれば、平和に生きたいですよね。
何より、一度、慣れてしまうと、疑問すら持てなくなりますね。
いじめの構図にとても似ていると思いました。
もし誰かがいじめを受けていたら、多くの人は見て見ぬフリをするでしょう。
自分が攻撃対象になりたくないですからね。
きっと、攻撃自体に加担しなくても、いじめっ子と一緒に笑っているでしょう。
悲しいけど、それが人間なのだ。
彼のような人間は稀です。
社員には家族あり、生き死にが掛かっています。
なかなか、難しい問題なのです。
まとめ
中小企業は苦しいので、ある程度は目を瞑らなければいけないのも事実。
綺麗ごとだけを言ってると、大企業しか存在しなくなり、独占になってしまいます。
その方が、よっぽど危険です。
じゃあどうしようもないのかよ
1つヒントがこの映画に隠れています。
彼女がこの映画の中で何をしていたのか。
ああやって、どんな企業も生まれたはずなのです。
罪への罰を強化することよりも、罪の根を無くすことが大事ですね。
まぁそれも綺麗ごとっぽいですが(笑)
それでは!!!
シュワッチ!!!