「桐島、部活やめるってよ」を今さら紹介②【キャラクター紹介②実果(清水くるみ)】 映画、舞台の脚本家演出家を目指す君へ②
ザ・ヒューマン実香
前回に引き続き4人のキャラクターについて紹介していく。
今回はザ・ヒューマン実果
話の流れがわからい方はこれをを見てね
前回の沙奈(松岡茉優)の説明を少し使うので
わからい方は見てね
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目次
人間の弱さの象徴
主人公は前田じゃないの?
って声がまた聞こえてきそう
そう。主人公は前田(神木隆之介)。映画的にはそう作ってる(実際、その方が面白い)
しかし、そこが一部の人間に桐島が認められない要因でもある。
前田に一切、共感出来ないならば実果を見よう。
今回はある意味、最も人間味のあるキャラクター実果
前回、沙奈(松岡茉優)みたいな人間が一番多いって言ったじゃーん(笑)
って声が聞こえてきそう(笑)
その通り、沙奈は人間社会競争の象徴なので
まず沙奈を目指し、問答無用で戦う人
沙奈になりたい、なれなければいけないと思っている人は多い。
いやいや、あんなことできない!
って人も多いよね
そう!ほとんどの人は沙奈のように非情にはなれない
思想的には沙奈のようになるべきだとわかっていても
結局は実果のようになる
それが人間なのだよ
だから、沙奈のようになりたいと思っていても、
実際は実果になっている人は多いはず
だからザ・ヒューマン実果なのだ!
実果とは
この物語では
ボス(梨沙 山本美月)、2番手沙奈を筆頭にした4人組が
ヒエラルキー上流の象徴として描かれている
実果はそこに身を置いている
実果は沙奈の作り上げた
陽キャラとしての旨味部分だけを享受している
ヒエラルキーの上流にはいるが、上流の人間は好きになれない、けど上流にはいたい
そんなわがままジレンマの象徴
人間のわかりやすい欲求
つまり、彼女は沙奈のような問答無用な攻撃行動は取りたくないが沙奈と同じ空間にはいたい!!
ズルっ!!!!
悪口を言ってるわけではありません(笑)
2番手崩れの地獄
こういう人間も多い
一見、楽そうに見えるが
実際は地獄だ
常に危険と隣り合わせ
前回も説明したように沙奈の攻撃対象はボス以外全員
2番手に最も近い存在というのは辛い
2番手は威嚇的だからだ
一緒にはいるけど、立場は平等ではない
当然だ。2番手になるためにはボス以外を攻撃対象にしなければいけないからだ
実果は3番手
いや違う2番手崩れだ
この世界には3番手はない
ボス以外全て攻撃対象だからだ
いやいや、もっと寛容に、チームになれば・・・・
なれない
前回も説明したようにボス以下は何も持っていないからだ
ボス以外は誰でもいいのだ
ボスに近づくためにはボスの位置に自分を引き上げなければいけない。
攻撃し続けなければいけない
美香は2番手争いに敗北したのだ!!
誰だって人の上に立ちたい。人に馬鹿にされたくない。羨ましいと思われたい。
誰だってそうでしょ。でも、そうあるためには戦わなければいけない。
でも戦いきれない。そんな象徴が実果。
そんな2番手崩れを象徴する要素がこの作品では描かれている
「自分を否定できない」「執拗な攻撃」
である。
自分を否定できない
そんなしんどいなら
沙奈のようになればいい
いや、なれない
実果は一部の人間は攻撃対象にできるが
生理的にに攻撃できない対象がある・・・・それは自分だ
どうゆうことか?
作中での沙奈を見てほしい
ほとんど自分に関する言動はない。
なぜか。ボスに近づくためには
何も持たない自分の姿は邪魔だからだ
沙奈は徹底して人を攻撃するが
自分と相手を比較していない。自分より相手が劣っているかどうかは関係ない
「ボス以外は下」「自分=ボスと同レベル」
という洗脳をかけている。そして、完遂している。
だから、誰でも攻撃できるのだ
実際問題、相手がどんな人間なのかは関係ないのである。
実果にはできなーーーーい!!!
自分との比較という基準から離れられない。
だから、自分、自分と境遇が近い人間は攻撃できない。
序盤のシーンで
帰宅部のボスと沙奈に対し、バトミントン部に所属しているのは
内申点のためだと嘘をつく
そんな嘘つく必要ある?
あるのだ、あくまで実果の目標はボスの右腕だからだ
しかし
その発言を一緒にいた、ダブルスパートナーのかすみに謝罪している。
本心ではないと。
この振る舞いに実果のキャラクター性は凝縮されている
バトミントンは好き、でも2番手でもありたい
でも帰宅部にはなれない
そんなジレンマ
極めつけは彼への同情
彼は風助(大賀)
実は実果には原作にしか描かれていない裏設定がある
「死んだ姉と比べて自分は何をやっても上手くいかない」
というコンプレックスを抱えているというものである。
風助は桐島が抜けたことでバレー部で試合に出ることができたが
全く活躍できなかった。
必死に練習するが、上手くいかない
鼓舞するチームメイトに「俺はこの程度なんだ」と逆ギレしてしまう
見つめる実果
しかし・・・・・・
沙奈はそんな風助にも容赦しない
風助はボスに生意気に話しかけてしまったため
めちゃめちゃ馬鹿にされてしまう
実果はやってしまった・・・・
風助、そして自分を庇うため沙奈に反抗してしまった。
そして、その態度をボスが来てからも
続けてしまった
これはご法度だーーーーーーーーーー
先程のシーンのように沙奈に乗って嘘をつけばよかったが
できなかった
自分を否定しきれない。
自分を蹴落として自分を押し上げることはできない。
ここが沙奈との差である
2番手崩れの限界なのだ
執拗な攻撃
実果なんか、かわいそーーーって思いましたか
ここだけ見たらそうかもしれませんね
ただ、実果は別に誰に対しても同情し、愛する
マザーテレサのような人間ではありません。
もしかすれば、その逆かもしれない
別に「みんなで仲良く」を目指すつもりはありません
ヒエラルキーの上流にはいたい
あくまで自分を攻撃しないというだけ
自分より下だと判断した人間には
しっかり攻撃します
しかも、攻撃範囲が沙奈よりも狭いため
攻撃対象になった人間への攻撃が強い
映画部の前田(神木隆之介)はヒエラルキーの最下層として描かれるが
前田を教室の隅から4人組が小馬鹿にするシーン
攻撃の発端を作っているのは実果だ
売店で並んでいる前田に対し
「買わないならどいて」
といったところなんて横にいる、かすみと比べて
だいぶ冷たいっす(笑)
ある意味、実果の方が沙奈よりも
差別的!!!!!
沙奈はわかりやすい「ボス以外が攻撃対象」
実果の攻撃対象は自分よりも下にいる奴
攻撃しないと陰キャラになってしまう
しかし、攻撃できるテレトリーが少ない
だから、攻撃の人数ではなく回数で稼ぐしかないのだ
そんなことをしてでも
ヒエラルキーの上流を目指す
2番手を目指すのだ!!!
しかし、この恣意的な線引きこそ
彼女を2番手崩れに導くのだ
なぜなら、ボスの意志に背かなければいけない瞬間が
遅かれ早かれ必ず訪れるからだ
まとめ
どうでしたか?
やっぱり、学校空間だけの話じゃないでしょ
こんなジレンマに苦しんでいませんか。
実果の言動と行動をよく見てください。多くの人が何か感じるはず。
実果を見ていて切ない( ;∀;)
っと思ったあなた・・・・・
あなたは実果かもしれない
少し気を付けてください
あなたは凄く人を傷つけているかも
実果のストレス発散は攻撃できる人間に対する
徹底的な攻撃だからだ
攻撃された側にとっては
ある意味、沙奈よりタチが悪いかもしれない
決して悪口を言ってるわけではありません(笑)
美香がこの人間社会競争で最もキツイ立場かもしれない
作中で最も情緒不安定なのは美香なのだ
次回はヒエラルキーのテロリスト前田
それでは!!
シュワッチ!!